わさびの資産形成の道

年金、投資、FIREなど生涯資産の入門書

生涯FPを策定する:老後2000万円問題

こんばんは。わさびです。

何かを成し遂げたい時に最初にゴールとマイルストンを設定することは実現性を高める上でとても重要です。ゴールのないマラソンほど辛く非現実なものはありません。

そのため、資産形成における最初の一歩は生涯のファイナンシャルプランを策定することになります。

お金は沢山あるに越したことはないですが、各人の環境やライフプランに沿った現実的なゴール・目標を設定しましょう。

将来は不確実であるので目標を見誤ることや前提や制度が変わることがあります。ですので、正しさを追求しすぎて立ち止まるよりも少し保守的にでもざっくりと見積り、適宜見直しながらアジャストしていくことが良いと思います。

マイルストンを設定するにはゴールから逆算することがセオリーです。そのため、以下のようなステップで考えます。

ステップ

① ゴールとなる状態を設定する

② 必要支出を算出する

③ 収入、資産の内訳を算出する

④ 収入、資産の実現方法、マイルストンを策定する

まずはゴールの設定から行います。ここでは金額は見積もりません。状態のみを定義します。

基本として人生を終えるまでお金に困らないというのは最低限の共通事項だと思います。今回は子孫に対する遺産相続などは考えず、自身または夫婦の生涯に閉じて考えます。

平均寿命は85歳なので、できれば余裕を持って90-95まで困らない状態をゴール設定としたいところです。困らない状態の定義も人によって様々です。また、現実的にいつまでに仕事をリタイアしたいか、も大切なポイントです。

次にSTEP2として、ゴールを踏まえ必要支出を洗い出します。生活水準や持ち家の環境、さきほどのゴールによっても大きく異なります。総務省調べでは、2021年の65歳以上の無職夫婦は月額224,436円と算定されています。

出所:家計調査報告

老後は収入が限られるため、支出を如何に抑えるかが重要です。今からミニマリストな生活を心がけて無駄な出費がなく満足できる生活水準を作り上げましょう。また、人によって大きく異なるのは住居費です。お気をつけください。

 

3つめのステップは、支出に対する収入源の内訳を当てはめます。まずは年金から当てはめてください。年金は生涯定額がもらえるため変動要素が少なく最も安定した収入源になります。自身の年金がいくらもらえるか必ず把握、算出しておきましょう。老齢基礎年金だけですと今は満期で77.8万円/年です。

次に、あれば資産による不労所得。最後に資産の切り崩し。資産の切り崩しは有限であり、いつまで生きるか不明な状態では最も不安定な要素になります。

前述のグラフでは年金が21.6万円/月となっており、年金以外に必要な収入が3.85万円/月となっていますので、年間だと46.2万、30年では1,386万円の不足になります。いわゆる老後2000万円問題はここから算出されています。

年金のご参考記事

 

最後にステップ4。ここまでで不足分が判明したと思いますので、収入をいつまでにどのように増やすかを考えます。年金であれば積立期間の延長または積立金額(年収)の増加、または受給開始の繰り下げ。不労所得または切り崩しであれば資産の構築。それでも足りなければ就労期間の延長となります。

ここでは退職と年金受給のタイミングが大きなポイントとなります。主要なタイミングとしては60・65・70・75が考えられます。たとえば60で退職して65で受給開始だったり、70まで就労後に70から年金受給、など。年金の繰り上げ・繰り下げ受給にも関わってきます。

ステップ3で例示した不足する年額46.2万円を不労所得で捻出できる状態を目指せると楽になるかも知れません。例えばこれは1540万のリスク資産による税引き利回り3%に相当します。ちなみに65歳までにこの状態を目指す場合、35歳から毎月3万円を30年間、年複利3%で積立てることで達成可能です。

 

年金だけで生活できる方は限られていると思いますので、リタイアまでに必要な資産を自分のケースに当てはめて算出し、計画的な資産形成を行いましょう。

大切なのは常に自分の達成したいゴールと現在の進捗、FPを意識しておくことです。

 

こちらの本は同じようにゴールを設定し、自分の立ち位置を明確にしたのち、どのように資産形成していくべきかを考えるのに参考になります。

 

計画的に資産を形成し、将来の安定を築きましょう。

 

※ 本ブログ記事は投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。投資の最終決定はご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は私の理解や憶測で記載しており、情報の確実性を保証したものではありません。